リテールテックと物流~ 【0】はじめに
本年5月21日、当社ブログサイト「日通総研ろじたんHbf」に「Amazon Goストア訪問記」という記事を掲載しました。この記事は当社物流コンサルタントの二村がアメリカへ出張した際、帰路シアトルに寄り、実際にAmazon Goの店舗を訪問した突撃レポート(笑)です。アマゾンの本拠地シアトルのダウンタウンに第一号店がオープンしたのは2016年の12月、その後1年間程はアマゾンに勤務する社員だけが利用できましたが、今年の1月に一般向けに公開されました。
二村の訪問は4月中旬でしたが、実は筆者もその1週間前に同店舗を訪問し、「レジで会計をせずに店を出る」という貴重な買い物体験をしておりました。ちなみに商品を取ってそのまま店を出るという行為に多少の罪悪感を持つかなと思っていたのですが、この店舗では出る際はゲートが開く構造になっており、自動でゲートが開くと何か「許可された感覚」みたいなものがありましたね。もちろんお金は払っていますよ(事前に登録したクレジットカードにチャージされる)。
写真1:シアトルのAmazon Goストアと筆者
その後半年経ちアマゾンはシアトルにもう2店舗、シカゴに3店舗、サンフランシスコに1店舗をオープンさせました(正確な店舗の住所は以下URLご参照)。合計7店舗が2018年のうちに、まさしくあっという間に稼働しました。また日本国内でも似たような店舗のニュースがたくさん出てきた年だったと思います。
こういった「店舗の無人化」、「チェックアウト(レジ)無し化」を最先端技術によって達成しようとしている分野は「小売り(リテール)」と「技術(テクノロジー)」を組み合わせて「リテールテック」と呼ばれています。Amazon Goの例の通りリテールテックも急速に技術革新と具体的な事業化が進んでおり、サプライチェーンおよび物流に大きな影響を与える可能性が大です。
そこで本ブログではリテールテック、特に画像の認識技術と人工知能(AI)を使った無人店舗について最新情報を紹介し、課題と物流にどのような影響があるのかを、5回に分けて考察したいと思います。まず、最初の3回はAmazon Goのライバルとなる企業と事業展開状況の紹介、日本のサインポスト社、トライアルカンパニー社、アメリカのスタンダード・コグニション社を取り上げたいと思います。第4回目は筆者が感じた無人店舗の課題について整理します。最終回の第5回は、リテールテックが物流業界にどのような影響を与えるのかを考えます。
【0】End
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