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【物流営業】テレアポで成果を出すために必要な3つの条件と限界

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株式会社NX総合研究所

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新規荷主の獲得のためにテレアポないしテレマーケティングという手法を実践されている物流企業は少なくないと思います。そこで、テレアポで成果を出すための3つの条件、すなわち①完成度の高いトークスクリプト、②テレアポの目的の理解、③良質なリードの入手についてご説明しつつ、さらに一歩踏み込んでテレアポが近年成果を生みにくくなった理由と打開策について考えていきたいと思います。

テレアポで成果を出すための3つの条件

弊社でも営業手法としてテレアポは実践しています。しかし、正直に申し上げて苦戦しているのが現状です。これは弊社のことだけでなく大手の物流企業の営業パーソンに聞いても「アポが取れるのは40件に1件くらいの割合ですよ。」という答えが返ってきます。40件に1件というのは約3%ですから、昨今のテレアポ事情からすれば健闘されていると思います。筆者自身のこの1年間の成果を正直に申し上げればアポ取得率は約19%ですが、これは3つの条件が揃った特殊なケースであって、条件が揃わなければおそらく平均して約3%というのは妥当な数字でしょう。

(1)完成度の高いトークスクリプト

3つの条件の1番目は「完成度の高いトークスクリプト」をマスターしていることです。トークスクリプトの重要性はテレアポの解説本などでも再三指摘されているところであり、敢えて申し上げるまでもないかもしれません。しかし、見知らぬ営業パーソンからかかってきた電話に応対する相手の立場を考えれば、配慮の行き届いた手短なトークで要点をしっかり伝えるというテクニカルな要素はいくら強調しても強調しすぎることはないでしょう。

ここで重要なことは、ベネフィットと信用性情報をわかりやすく盛り込むということです。ベネフィットとは相手にとってどんなメリットが得られる商品・サービスなのかという情報です。もっとわかりやすくいえば、相手のどんな不便・不満・不足を解決できるのかという情報のことをいいます。この情報が的確に伝わらないと「自分には無関係な話だ」と瞬時に電話の相手は拒絶反応を起こしてしまいます。そこで、トークスクリプトを作る際に、顧客のどんな悩みを解決して差し上げるのかという点について十分盛り込んでおく必要があります。

さらにトークスクリプトに欠かせないものが信用性情報です。突然電話をかけるわけですから、相手が警戒心を抱くのは当然です。そこで、どのような企業のどのような立場の人間がどんな用件で電話しているのかという信用性情報を手短に伝えることが欠かせません。

なお、信用性情報は電話している自分ないし自社にかかわるものだけでなく、ご紹介したい商品・サービスそのものの信用性情報も(もしあれば)伝えたいところです。たとえば「○○という業界紙で記事になった商品です。」とか「テレビの○○という番組で紹介されたサービスです。」といった情報です。電話の相手がもしその業界紙やテレビ番組を知っていたら、格段に信用度がアップし、その後のトークがしやすくなるでしょう。

(2)テレアポの目的の理解

テレアポで成果を出すための3つの条件の2番目は「テレアポの目的の理解」ができていることです。テレアポの目的については勘違いしている営業パーソンも少なくありません。かくいう筆者自身、テレアポを始めたばかりの頃はまったく勘違いしていました。おかげで今考えるとずいぶん無駄なところに労力を使っていました。

勘違いの一つ目は「テレアポで商品・サービスをしっかり説明してしまう」というものです。テレアポの相手とまともに話せる機会はなかなかありません。たいていは門前払いされてしまいます。そこで、いざ相手と話せるとなると、ついつい商品・サービスについて熱心に説明してしまうわけです。しかし、これをやってしまうと「御社の商品・サービスについては十分理解できましたので、もうお会いする必要はありません。」とアポを断られてしまうことになりがちです。テレアポではベネフィットと信用性情報をしっかり伝え、相手が関心を示したら、「詳細についてはお伺いしてご説明させてほしい」と、さっさとアポイントの取り付けに進むべきです。つまり、テレアポの目的は「商品・サービスについて詳細に説明すること」ではなく、あくまで「アポイントを取り付けること」にあるのです。

上記と似ていますが、勘違いの二つ目は「相手に商品・サービスを購入したいと思ってもらうことがテレアポの目的だ」というものです。この勘違いがあるとテレアポに大変なストレスを感じることになります。なぜなら、そんなことはたいていの場合、無理だからです。相手にすれば電話でごく簡単に説明されたからといって「購入したい」という判断になるはずがありません。とりわけ企業間取引の場合は慎重にステップを踏んで判断がなされますから、なおさらです。

しかし、テレアポは相手に商品・サービスを購入してもらうことが目的のはずではないでしょうか。実は「目的」の意味が違っています。テレアポの「目的」は、商品・サービスの購入を決断させるということではなく、あくまで、これから時間と労力をかけて営業活動をおこなっていくべき相手かどうかを見極めるところにあります。つまり、テレアポでおこなっているのは「選別」なのです。果たして営業努力を注ぎ込むだけの価値のある客かどうかの見極めをおこなっているにすぎません。このことが理解できていると実に電話をすることが楽になります。また、そうした雰囲気は相手にも伝わりますから、肩の力が抜けたよい印象を持ってもらいやすくなります。

(3)良質なリードの入手

さて、あれこれノウハウ的なことを書いてきましたが、実はテレアポの確率を高める最大の方策は「良質なリードの入手」です。ここでリードとは、見込み客に関する情報のことを指します。具体的には見込み客の名称や電話番号、メールアドレスなど、営業が見込み客にコンタクト可能となる情報のことです。

テレアポの成果の大部分はリードの質の良し悪しにかかっています。たとえば、筆者自身のアポ取得率が約19%という高確率だった理由は単純に良質なリードがあったからにすぎません。具体的には、株式会社カーゴ・ジャパンから発行されている「物流総覧」という書籍に物流企業の連絡先情報が記載されていたのです。記載されている荷主企業は約300社で、その中の相当数の企業について物流担当部署の電話番号が開示されています。通常、テレアポでは相手先企業の代表電話にかけると思いますが、そうするとほとんどの場合「営業電話お断り」という冷たい対応をされるのがオチです。しかし、物流担当部署に直接電話がつながるならば、かなりの確率で話を聞いてもらえるのです。

では、書籍に掲載されていない企業に対してはどうすれば良質なリードが獲得できるのでしょうか。実は、近年になって使えるようになった新しい方法があります。それが御社のホームページを活用する方法です。ただし、弊社で物流事業者100社を調査したところによると、その87%でリード獲得のための効果的な仕組みが設けられていませんでした。※別途、「お役立ち資料」のコーナーに【無料】資料ダウンロード「物流事業者100社のホームページ分析結果レポート新規の荷主様が御社のホームページを来訪しないのはなぜか?」というホワイトペーパーをご用意しています。ぜひご一読ください。

テレアポが近年成果を生みにくくなった理由と打開策

ホームページを活用して良質なリードを取得するやり方は「インバウンド営業」の一つになります。インバウンド営業については詳しくは[【物流営業】顧客開拓は「足で稼ぐ」から「検索してもらう」時代に!]というタイトルのブログ記事をご覧いただくとして、ごく簡単に説明すると次のようになります。

近年におけるインターネットの爆発的な発展によって人々は情報の大部分をインターネットにより取得するようになりました。これは企業間取引においても同様です。情報収集手段がインターネットに移ってくると、従来のテレアポ、飛び込み営業、DMといった営業スタイル(アウトバウンド営業)は急速に嫌われるようになっていきました。なぜなら、必要な情報は営業パーソンとやっかいな接触をしなくてもインターネットを使って自分自身で取得できるようになったからです。

アウトバウンド営業が困難になったことに伴って、先進的な企業は反対のやり方にシフトしていきました。つまりインバウンド営業です。「インバウンド」とは、自社の情報を「見つけてもらう」つまり「検索してもらう」という情報の提供の仕方のことをいいます。そこで、インバウンド営業では、たとえば見込み顧客が欲しいと考えるであろう情報をホームページ上に用意しておき、顧客に見つけてもらいやすくしていくというやり方をとります。こうした動きは様々な業界で約10年前に始まり、現在も変化の真っただ中にあります。

テレアポが効果を発揮できるようにするためには、テレアポ手法の工夫だけでは明らかに限界があります。ましてや根性論ではどうにもなりません。少し視野を広げて時代潮流を読む力のあるビジネスパーソンなら、営業の主戦場がインターネット、すなわちWebマーケティングに移行していることに気づくでしょう。御社のホームページを最大限活用するというインバウンド営業のたゆまぬ実践を通じて、他社には無い貴重なリード獲得手法のノウハウと道具立てを成長発展させていく他は、現代の物流営業に勝ち残っていく術はありません。

まとめ

新規荷主の獲得のためにテレアポで成果を出すためには、①完成度の高いトークスクリプト、②テレアポの目的の理解、③良質なリードの入手という3つの条件が必要です。とりわけ、インターネットが高度に発達し、人々が情報の大部分をインターネットにより取得するようになった現代においては、無差別に電話をかけまくるという旧来のテレアポ手法は成果を生まないどころか、クレームを発生させ企業イメージを大きく損なう危険性さえも孕むようになりました。

なぜ、見込み顧客がテレアポや飛び込み営業といったアウトバウンド営業の手法を嫌うようになったのか、その本当の原因をしっかり理解し、インバウンド営業手法について企業全体で学習を深め、実践を積み重ねていくことを強くおすすめします。

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