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リテールテックと物流~【4】無人店舗の課題は?

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日米3社の取り組みを紹介して参りましたが、いかがでしたでしょうか? 筆者は4月にAmazon Goストアを訪問したのち、半年ほどリテールテックを気にしていなかったので、正直「ここまで進んでいたのか…」と驚いております。このスピードだと来年の今頃には、家の近所に一つ二つ無人店舗が出来ていてもおかしくない状況かもしれません。しかしながらリテールテックを使った「店舗の無人化」、「チェックアウト(レジ)無し化」にはまだまだ課題もあります。今回は主にオペレーション上の課題について考えてみたいと思います。

認識技術の精度

まあ当たり前でしょう。根本的な問題ですよね。筆者が買い物をして3,000円分しか買ってないのに4,000円チャージされたら、そりゃ怒ります。無人店舗だとその場で抗議できないかもしれませんから、返金を要求する手間も大変です。一回だけのミスならまだしも、複数回ミスに遭うとそんな店舗にまた行こうとは思いません。逆も然りで、4,000円分買ったのに3,000円しかチャージしていなかったら、筆者はうれしいですが店が早番潰れてしまいます…。

アマゾンやその他の会社も認識率やミス率などの数値を公表していませんが、導入できるレベルにはなっているのでしょう。AIを利用しているので、マシーンラーニング(機械学習)により使えば使うほど学習していき精度が上がるので、早く始めてしまおうという戦略なのかもしれません。精度を上げていくことは終わりのない永遠の課題と言って良いでしょう。

三温度帯対応

日本ではコンビニ、スーパー、ドラッグストアなどでは常温・冷蔵・冷凍の「三温度帯」に対応することが当たり前です。駅のキオスクのように冷凍がないケースはあるでしょうが、一定規模の店舗ということであれば必須でしょう。特に冷凍品の置き場と認識のやり方は工夫が必要と思われます。筆者は買い物に行っても「酒のコーナーへ一直線」でしたので、先日スーパーとコンビニに行き店舗全体を見まわして来ました。冷蔵品(豆腐、飲料、肉など)の場合、多くの棚がオープンになっているので、カメラを遮るものがありませんでした。よってカメラをキチンと設置すれば常温品と同様に認識できると思います。冷凍品になるとドアで仕切られており、商品を取り出すのにドアを開けるという行為が必要になります。冷凍棚のドアは透明なガラスがほとんどですが、霜がかかっていたり水滴がついていたりと、常に外から鮮明に中の商品が見える訳ではありません。アイスクリームなどは商品自体に霜がついて「商品名がみえない」なども起こり得ます。カメラの設置方法にノウハウが必要になってきそうです。

写真3:スーパーの冷凍品用の棚(筆者撮影)

写真3:スーパーの冷凍品用の棚(筆者撮影)

定型の包装がされていない商品(おでん、唐揚げなど)

定型の包装がされていない商品とは、例えば魚売り場の切り身、店舗で作った弁当、コンビニではおでんや唐揚げなどの商品、これらはどうやって認識するんでしょうか。そんなことを考えていたらこんなニュースが飛び込んできました。

「からあげクン」ロボ ローソン、できたてを販売へ

まあ、これで「からあげクン」は認識大丈夫ですね(笑) おでんもそれ専用のカメラを設置すれば何とか行ける気がしますね。しかし「あんまん」と「ピザまん」はどうやって識別するのか…。全部同じ値段にしてしまえば問題解決にはなりますが。

写真4:定型の包装がされていない総菜(筆者撮影)

写真4:定型の包装がされていない総菜(筆者撮影)

酒、たばこ

最後に未成年者が無人店舗で酒とたばこを取ったらどうするか。コンビニでのタバコ販売はドル箱と聞いており、無人店舗になったからと言ってコンビニ側が販売を止めるということにはならないでしょう。たばこだけは「タスポ」をかざさないと商品が取れない、などの工夫は考えられます。酒は「タスポ」のようなIDカードがないので悩ましいですね。運転免許証のIC部分が使えると良いのですが。ちなみにシアトルのAmazon Goストアには酒のコーナーがあり、そこには監視員(人間)がいて、年齢を証明できる写真付きIDを見せないとそのコーナーに入れないことになっていました。

いくつか課題を取り上げましたが、まあいきなり100%を目指すのではなく「できるものから展開して行く」で良いのではないかと筆者は考えます。できないから進まないのではなく、走りながら考えるで。恐らくリテール業界の方々が既に斬新な解決策を思いついていることを期待します。

ブロックチェーン技術の物流分野での活用状況

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