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簡単!面倒なマニュアル作成をAIで!

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はじめに

業務のマニュアル(手順書)というのは、業務を標準化、効率を向上させるためには必須です。

しかし、マニュアル作成は意外と大変なものです。作業工程を洗い出して、文章をわかりやすく推敲し、見やすいようにレイアウトを工夫する…。これらを日々の業務の合間にやっていては時間がかかり、作成中に工程が追加・更新された、ということもしばしば起こります。

なぜ大変かという根幹をひもとくと、作業工程の洗い出しも大変な作業ですが、マニュアルとしての体裁や、文書形式をどうすればいいかという「基本的な枠組み」の作成に時間がとられることも大きい要素です。

この枠組みがあいまいだと、作業の流れを書き出すことから始めるしかなく、全体の俯瞰も行なえず、マニュアルとして間違いのない明確な指示を作ることが難しくなります。

逆説的に、枠組みさえあれば、穴埋め形式で整理しながら比較的簡単に作成できるのではないでしょうか。

今回はこの考えに基づいて、AIに「マニュアルの基本的な枠組み」を作ってもらいたいと思います。

AIに作らせるとは

ChatGPT

ChatGPTは、OpenAIによって開発された人工知能ベースのチャットボットです。GPTは「Generative Pretrained Transformer」の略で、大量のテキストデータから学習し、人間のような自然なテキストを生成する能力を持っています。
質問応答、文章の作成、アイデアの提案など、多様なタスクをこなすことができます。

どうやって使う?

テキストボックスに質問や指示を入力します。例えば、「天気について教えてください」「ロボットについてのエッセイを書いてください」などです。
今回は、倉庫業、製造業の作業マニュアルを作ってみます。

実際にAIにマニュアルを作ってもらう

まずはざっくり聞いてみる

まずはざっくり聞いてみる

20個の倉庫に関する大項目が出力できました。現場作業に関連するものは9個、管理者が気にしておくものが11個です。

続けて「倉庫作業の基本的な理解」について

続けて「倉庫作業の基本的な理解」について

【目的】【役割】【流れ】といった項目が作成できました。簡単な業務手順の流れを説明するなら、これだけでも十分ではありますね。

入庫作業に限定して見てみる

入庫作業に限定して見てみる

受取(搬入)、検品、ラベル、保管といった基本的な流れは完備しているようです。

アパレル業に絞ってみる

アパレル業に絞ってみる

ただの入庫作業の時と違い、色とサイズについて追記されています。保管方法では「折りたたむかハンガーにかけるか」という製品特性まで理解して記載できています。

注意点を聞いてみる

鉄製品の製造業

鉄製品の製造業

ガラス製品の製造業

ガラス製品の製造業

【安全対策】【品質管理】【環境対策】【廃棄物管理】【健康管理】の5つが共通しており、「製造業の管理ポイント」として学習されているようです。

鉄とガラスで異なる注意点を例示できていますが、質問文が「業態への注意点」という曖昧な質問のため、概ね同じような回答になっています。質問が曖昧だと回答も曖昧になるようです。

質問を続けて追記してみる

質問を続けて追記してみる

木材について、同じ質問をしてみます。木材特性を理解し、森林資源の持続可能性と、粉塵対策について言及できています。

しかし、【安全対策】に粉塵対策が無いので、追記させましょう。

「粉塵対策を追加してください」としか命令していませんが、「粉塵は呼吸器系に影響」「防塵マスクや換気設備の整備」といった要素を補完して出力してくれています。出力した文章への追記、改修も簡単であることがわかります。

結果

・ざっくりとした命令でも、必要十分な項目はだいたい作成できる。

・倉庫、製造業の基本的な作業の流れはすでに完備している様子です。

・対象を指定すれば、その特性を考慮して作成してくれる。
 アパレルなら色とサイズ、木材なら粉塵、鉄なら熱と重量

・命令が曖昧だと回答も曖昧になりがちです。
 テンプレートなら十分かもしれませんが、項目自体が抜けてしまう可能性もあります。無いものに気づくのは難しいため、命令から明確にしたほうがいいでしょう。

AIに作らせる時の重要な4つのポイント

上記の結果から、AIに作成させる時に重要なポイントをまとめました。

対象を明確に指定する。

「鉄製品の倉庫作業」のように、〇〇の△△の□□と言った形式で、しっかり対象範囲を特定できるように文章を書きましょう。これだけで大分生成結果が変わります。

その対象の動作を指定する。

対象のどのような動きをしているのかを明確に指定します。今回は倉庫・製造業を例に出しているので、入庫・出庫・検品などの動作を指定します。

命令本文をきっちり書く。

「作業マニュアルを作成」「管理注意点を例示」「(前の回答に)追記」など、AIにして欲しいことを明確にします。

特記事項を追記する。

ChatGPTなどの生成AIは、会話の流れを推察して作業してくれるので、命令や対象について「10個の候補を作って」「章ごとに注意点を追加」「~といった形式で書いて」など、出力結果に対しての命令もできます。

まとめ

ChatGPTを使った結果、簡単に枠組みを作ることができました。
上記4つのポイントを押さえて、改めて作業マニュアルを作ってみます。

まとめ
まとめ

受取、検品、登録といった基本の作業と、それらへの注意点を明記した、木材の入荷作業マニュアルと、その後の加工作業についての汎用的なマニュアルが作成できました。

AIでマニュアルの枠組みはすでに作れるレベル

このように、すでにChatGPTで簡単に枠組みを作らせることができます。これを基に、自社の特色や、加工工程ごと特記事項を追記していくことで、文句のないレベルのマニュアルが作成できるでしょう。

マニュアル以外でも使える

今回はマニュアルに焦点を当てましたが、マニュアル以外の文書でも同様に使うことができます。何かの文書の枠組みを作成させることで、要点を押さえることができ、そこに企業や部署の特色を追加するだけで、過不足の無い文書が作れることでしょう。

今回は入庫作業、いわゆる現場作業を例に説明していますが、「要点を押さえてくれる」という点に着目すれば、本領を発揮するのは管理系マニュアルと思われます。ど忘れした時でも補佐してくれますし、思い浮かばない時でも道しるべとなってくれるはずです。

最後に注意点

AIも苦手なことはある

ChatGPTは学習データに基づいて応答するので、学びが足りない分野(データが足りない分野)だと、それ“らしい”ことを並べてしまうこともあります。

例えば、あまりに長い文章や、抽象的な概念や感情に関するものは、質問を読み違えたりします。時事などのリアルタイムな情報についても苦手ですし、数年後の予測なども難しいでしょう。

最後は必ず人間が確かめることが大事

このように、ChatGPTなどのAIによる文書生成は、とても簡単で役に立ちますが、苦手な分野もあります。

生成AIの出力結果は、AIが学習したデータに基づいて生成されますが、それが常に正確で適切であるとは限りません。AIの出力が事実に基づいているか、適切であるかなどを確認するためには、最終的には人間のチェックが必要です。AIの出力を盲目的に信じるのではなく、常に批判的な視点を持つことも重要です。

追記

この文書は、ChatGPTによって作成された大項目と内容が3割、筆者が加筆修正をしたものが7割となっています。

(この記事は、2024年6月4日時点の状況をもとに書かれました。)

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