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物流においてシミュレーションを活用する方法

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物流におけるシミュレーション活用のメリットは3つあります。まず、①シミュレーションによる効果は客観的数値として重要な判断材料となります。また、②様々な施策シナリオをインプットすることで、各シナリオ効果が計算可能です。さらに、③物流のシミュレーションでは、エクセルからシミュレーションソフトまで幅広く方法があり、目的、アカウンタビリティ、投資リスクに応じて手法を選択して活用することができます。以下、細かくみていきましょう。

1.シミュ―レーションの活用意義

シミュレーションは、現状やある時点を再現し、それに対する変化後を計測するものです。ある施策を実施した場合、実際には様々な影響があるものの、シミュレーションを活用すれば施策に対する効果を純粋に計測できます。また、現状を再現したシミュレーションに対し、様々な施策シナリオを与えることで、シナリオごとの効果試算が可能です。シミュレーションによる客観的効果は、投資に対する効果として明確であり、今後の方針の判断材料として有用です。ただし、シミュレーションは使用データや計算方法など、ある一定条件の状態を示したものであるといったことに注意する必要があり、結果とともに前提条件を明示する必要があります。

シミュレーションに対し、机上の空論という批判がありますが、事前に施策効果を計測できるものはシミュレーションしかありません。また、人の行動や事象は単純化できるなど、ものごとの事象は複雑に絡みあっているように見えて、集約するとマクロ的には単純化した形で再現が可能です。
イレギュラー事象については再現できませんが、その発生確率が高いものは、別途シミュレーションで考慮するというように対応することもできます。

2.シミュレーションの種類と活用方法

シミュレーションの種類としては、以下の種類あります。それぞれを組み合わせて拠点配置の検討を行うこともあります。

物流のシミュレーション

輸配送
・工場から物流センター、物流センターから顧客などの輸送、配送シミュレーション

倉庫オペレーション
・倉庫内作業、バース作業、ピッキング、搬送などのシミュレーション

在庫
・拠点間の在庫配分、拠点の在庫量シミュレーション

シミュレーションの種類はエクセルで計算するものからソフトウェアを活用したものまで様々なものがあります。

エクセルや簡単な計算式で行うシミュレーションは、理解しやすく説明力があります。

一方、ソフトウェアのシミュレーションは、大量のデータを処理することができます。
輸配送シミュレーションでは、大量の出荷データをもとに配送ルートをシミュレーションすることが可能です。

また、倉庫作業のシミュレーションでは、人の行動や車の行動を数式モデルで再現しており、理解するのに時間がかかる部分がありますが、滞留を表現できることに優位性があります。

例えば自動車では、前の車との距離を認知して前の車との距離が近いと判断した後に、ブレーキを押すという行動をしており、この認知から判断までの時間がかかっているため、一定の交通量以上となると渋滞が発生します。このような滞留を作業、車両で再現することができます。

しかし、様々なシミュレーションソフトがありますが、高価かつ実際に自分でシミュレーションを行うのが難しいといった問題があります。

リスク回避するためにも高額投資については、シミュレーションを高価なソフトを活用し高精度に行い、比較的安価な投資については簡易のシミュレーションや精通した専門家の知見をもとに部分的なシミュレーションを行い検証していくなど、簡易的なもの、高精度なものを必要に応じて組み合わせて使い分けていくことが良いのではないでしょうか。

3.おわりに

シミュレーションには簡単な計算からエクセルで行うもの、ソフトウェアで実施するもの、3Dシミュレータと様々なものがあります。目的や投資リスクに応じて必要なシミュレーションを判断し、シミュレーションによる客観的数値を投資リスク低減のための指針として活用していくことで、円滑な意思決定を促進することができます。

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