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【物流管理】倉庫の入出荷物量を予測するコツとは?

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物流倉庫の作業人員計画を効率的・効果的に行うためには、「物量の予測」「基準生産性の把握」「必要人時の算出」の3つがポイントになります。これにより、ある物量に対して何人の作業スタッフで対応できるかが分かります。
この3つのポイントの中で最も労力を要し、かつ困難と言われているのが「物量の予測」です。基準生産性や必要人時は情報さえあれば、算出することができますが、予測は不確実な情報が多く存在します。そのため、管理者の勘と経験に頼って予測していることが実態にあると考えます。

物量の予測は、主に5つのアプローチで行います(図表1)。

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<図表1:物量予測におけるアプローチ方法>

予測精度を高めようとすれば当然その分、システム導入等のコストがかかります。倉庫として、管理レベルをどこに置くべきかを検討する必要がありますが、本ブログでは最も簡単に取り組める「数式化」についてご紹介します。

パターン1:前年同月同週の物量と直近の傾向で設定

一般的に、必要なデータは前年同月の日別物量実績と直近の物量傾向の2つです。出荷物量では主に月次傾向と曜日傾向が強く出るため、その情報を元に検討します。
具体的には、図表2のように実績を抽出・集計します。

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<図表2:前年同月同週の実績を用いた予測物量算出例>

 (a):月度の初旬・中旬・下旬の直近の傾向を、パーセンテージで入力します。例えば直近の物量が前年度と比較して少なくなっており、その傾向が続くと想定される場合はマイナスで表現します。
(b):一般的に前年度物量は曜日に合わせて抽出します(日付ではない)。
(c):日別の事前情報(新製品出荷・連休明けなど)がもし分かっている場合は、その物量を入力します。

上記を元に、[前年度物量]+([係数]×[前年度物量])+[事前情報]から物量を予測します。荷主などのカテゴリ別で物量を抽出する際は、その単位で物量を算出します。フォーマット化しておくことで、毎月決まった方式で物量を想定することが出来ます。見直しは物量増減の特殊要因が発生都度行います。

パターン2:過去3年間の物量と直近の伸長率で算出

少し高度な物量予測を行う場合、過去3年間の実績が必要と言われています。昨年度が特異な年度であった場合に、その影響を大きく受けてしまうためです。WMSなどのシステムが整備されていないとなかなか取り組めませんが、抽出が可能であればあらゆる活用があると考えます。

初めに、図表3のような月別の物量を集計し、直近の6ヶ月間(期間は任意)の伸長率を算出します。
直近の物量は過去3年と比較してやや増加傾向にあることが分かります。

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<図表3:物量の直近伸長率の算出例>

次に、図表4のように予測する月の物量を日別に集計し、上記伸長率を掛け合わせることで予測物量を算出します。

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<図表4:過去3年間の実績を用いた予測物量算出例>

 (a):月度の初旬・中旬・下旬の直近の傾向を、パーセンテージで入力します。例えば直近の物量が前年度と比較して少なくなっており、その傾向が続くと想定される場合はマイナスで表現します。
(b):図表3で算出した伸長率です。
(c):過去3年間の物量を曜日に合わせて抽出し、平均値を算出します。
(d):物量平均値と、直近伸長率を掛け合わせます。
(e):日別の事前情報(新製品出荷・連休明けなど)がもし分かっている場合は、その物量を入力します。

パターン1・2ともに言えることですが、ポイントは必ず事前情報の数値で補正することです。過去の実績データのみで算出すると、例えば事前に荷主から連絡が来ている情報などが反映されていないため結果として外れてしまうことが多くあります。定量情報+定性情報で組み立てることが重要です。

数式化しておくと、常に同じロジックで算出することができるメリットがあります。事前情報の数値化も、ルールを決めておけば管理者ではなくても行うことができます。また上記はほんの一例に過ぎず、気温との相関や特異日の影響度などを考慮することなど、各倉庫の物量傾向に応じて数式は決める必要があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。物量予測を数式化して行う際は、過去の実績(可能であれば3年間)を集計し、定量情報+定性情報で組み立てることを意識しましょう。特に倉庫規模が大きい場合は作業人員計画の精度(=物量予測精度)が大きく収支に影響します。

今後は高度なスキルで予測することも増えてくると考えます。昨今では機械学習モデルを搭載した予測システムも出てきました。従来は数学のスペシャリストが頭を抱えて数理モデルを検討し、個別最適により実現していました。機械学習では、過去の実績から特徴量を自己学習で抽出(説明変数とパラメータ値、インパクト等)して予測モデルを作成します。技術革新によって開発側のあり方も徐々に変化しつつありますので、今後注目していきたいと思います。

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