改善活動の手法とその有効性
日通総研ニュースレター ろじたす 第29回ー①(2017年9月19日号)
【Logistics Report】 改善活動の手法とその有効性
各現場では日々の顧客要望や物量、アイテム変動に伴い、改善活動に取り組んでいると思います。改善活動は業務を楽にするものであり、業務を上手く回していくためには、必要不可欠のものです。積極的に、またはなんとなく取り組まれている方、様々な方がいらっしゃると思います。日々業務が忙しく、なかなか改善ができないという方もいるかもしれません。そのような改善活動を効率的に行うための手法として、改善ツールがあります。
改善ツールはQC7つ道具をはじめとして、様々なものがあり、気づきの抽出、ブレインストーミング(以下ブレスト)、とりまとめ方法として有用です。ブレストの際に考える視点を与えてくれたり、フォームを埋めていけばまとまった資料となるなど、便利なツールです。また、皆の共通認識のツールになれば意見を出しやすく、考えを引き出すツールにもなります。改善手法やツールにはどのようなものがあるかを以下に述べたいと思います。
まず、改善の核となるのが「問題解決7つのステップ」です。
表:問題解決7つのステップと主な改善ツール
出所:日通総研作成
このステップで改善活動を進めていけば、論理的かつ効果的な改善を行うことができます。そのため、活動に自信を深めることができますし、根本原因を考えることが習慣化され、対策も優先順位づけして進めていくことができるようになります。また、自分で目標をコミットすることで、目標達成へのモチベーションにも繋がります。また、このステップにより確実に改善を進めることができ、取り組み回数が増えれば、ステップを素早く回せるようになります。そして個々の改善ツールは、各ステップにおいて考えるきっかけや、考えに深みを与えてくれるツールです。各ステップにおける改善ツールは、表に整理したとおりです(※QC7つ道具は、現状把握や効果の確認でも使われますが、根本原因を突き止める重要なStep4の「要因分析」での活用ツールと位置づけしました)。
ここでは各改善ツールについての説明は省略しますが、このツールを全て使うのではなく、ケースバイケースでテーマや改善策に合わせてツールを選択していきます。例えばStep4の要因分析で話し合いながら要因を洗い出していきたい場合は、フィッシュボーンを活用して、各軸の要因について付箋を使って、現場スタッフを含めて意見を貼り出していくと、網羅的に現場の実態に合った要因を洗い出せるようになります。Step7の改善策の定着化では生産性が安定しないような問題に対しては作業標準書を作成することとなりますが、コツや注意事項を共有させる程度の対策であれば、ワンポイントレッスンを活用することになります。
このようなツールを使い改善活動を成功させるポイントとしては、“徹底”あるいは“追求”があげられます。これまで拝見した拠点では、自分達でステップと改善ツールを決めて、“徹底”的に、根本原因や改善策を“追求”して、驚くような手法を生み出しています。やはり、徹底的に追求していくこと、そしてそのモチベーションを維持して続けていくことがポイントのようです。ただし、継続していくことが最も難しく、継続するには活動をフォローする体制の工夫が必要となります。
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