物流というフィールドで強いチームを作るためのツール「ろじたん」
日通総研ニュースレター ろじたす 第3回ー④(2015年7月21日号 )
【Product Development】物流というフィールドで強いチームを作るためのツール「ろじたん」
野球は数値化が行いやすく、サッカーは数値化が難しいスポーツといわれています。野球はピッチャーとバッターの勝負の積み上げで構成される静的なスポーツです。それに対して、サッカーは全体の流れの中から、ある局面を切り出して数値化する必要がある動的なスポーツといえます。
2015 年のJリーグの試合から「トラッキングシステム」が正式導入され、選手のトップスピード、走行距離、スプリント回数、などがリアルタイムに計測されるようになりました。「足が速い」、「良く走っている」と感覚的に思っていた事が数値として客観的に裏付けられるため、観戦の楽しみも増しています。計測技術の進化に伴い、プロスポーツでは数値が重視され、強いチーム作りのためには不可欠となっています。
サッカーと野球の関係は、物流施設と生産工場の関係と似ているように思います。生産工場のスタッフは所定の作業場所が決まっており、就業時間中にあまり動くことはありません。各スタッフが、生産計画に従って基準となる時間で処理することで、工場全体のパフォーマンスが決定します。数値管理も行いやすい環境であるといえます。
一方、物流施設では、日々の波動や時間帯別の作業に合わせて、入庫~出庫、流通加工等の複数の業務を行います。どのような作業にどの程度の時間を費やしているのかが分かりづらい環境といえます。作業時間は生産性に直結することもあり、物流施設ではスタッフの作業時間を把握する必要があります。そのために例えば、定型シートに記入したうえで OCR や事務員によりデータ化する、1 日の作業従事比率をヒアリングで設定する、などの手法が取られています。
しかしながら、これらの手法は、事務作業のロスや精度不足といった問題が生じています。更には、やり方が分からない、面倒といった理由から、未実施の物流施設も数多く存在します。
「物流施設のような動的な環境下で、もっと計測を簡単に出来ないか?」物流 ABC(Activity Based Costing)の案件に携わり、実際に時間計測を行った時から、このテーマがずっと頭の中にありました。同時に、1つの解決策となり得るスマートフォンの動向にも注目していました。2 年ほど前に、Android の格安スマホや省電力かつ大容量バッテリースマホが登場したことにより、業務利用のイメージが一層膨らむようになりました。
「このイメージを実現したい!」思いは一気に高まり、ほとんど勢いでしたが、プログラミングができる同僚と勉強会を立ち上げ、自分たちで時間計測アプリを開発しようということになりました。
Android 特有の「勝手な強制終了」に何度も挫折しそうになりましたが、2014 年 10 月になんとかプロトタイプ版が完成しました。現在、プロトタイプ版は改良と実地検証を何度も繰り返し、同封パンフレットにある「ろじたん」へと姿を変え、その役目を終わろうとしています。
昨今の技術革新により、動的な現場でも数値化できる環境が整いつつあります。労働力不足など、一層の厳しさを増す物流業界で生き残るためには、「強いチーム作り」は必須です。「強いチーム作り」の第一歩として、是非「ろじたん」の導入をご検討いただけますと幸いです。
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